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 2015年度のニュース
お知らせ

「下之郷遺跡」(本HP)をリニューアル・オープンしました(H27年3月)

守山市にある国史跡 下之郷遺跡のホームページを公開(リニューアル・オープン)しました。
下之郷遺跡HPのリニューアル
 ・過去の主要トピックスを盛り込み
 ・発掘の現状に新情報を追加
 ・ゲストブックの設置(感想、質問、意見などの書き込みにどうぞ)
など行っています。
当NPO法人として先に公開した伊勢遺跡HPとは姉妹関係にあります。

トピックス

「野洲川下流域の弥生遺跡」ホームページ公開記念講演会
  「倭国形成に向けての近江の役割」 を開催しました(H28.2.28)

【内容】
魏志倭人伝によれば、弥生時代後期末、男王統治のもと一女子を王として擁立しました。 それが卑弥呼です。
当時、近畿地方を統治していた大きなクニ「原倭国」あるいは「近畿政権」が主導して卑弥呼共立を行なった と考えられています。 その中核地が近江南部であり、共立を相談した場所が「伊勢遺跡」と推測されます。
今回の講演では、倭国形成に向けて近江南部が果たした役割についてお話をして頂きました。
【日程】 2月28日(日) 13時30分から16時30分
【場所】 ライズヴィル都賀山 5階 ロータスルーム 守山市浮気町300-24
【プログラム】
13:30 「野洲川下流域の弥生遺跡」HP概説 田口 一宏(NPO法人守山弥生遺跡研究会 理事長)
14:00 講演「倭国形成に向けての近江の役割」 森岡 秀人 氏(橿原考古学研究所共同研究員)
15:40 考古学者に聞く(自由質問) 森岡 秀人 氏
【主催】NPO法人 守山弥生遺跡研究会 
【講演会の風景】
募集定員60名を大幅に超える90名の方に参加して頂きました。やむなくお断りした方々もおられ、申し訳ございませんでした。
新HP概説、森岡氏の講演ともに判りやすく、新たな知見が得られたと好評でした。
初めての試みとして、講演頂いた森岡先生に「考古学者に聞く」という自由質問のコーナーを設けましたが、これもまた、常々疑問に感じていたことを質問できる好企画として喜んでもらえました。

会場風景
会場風景
田口
新HP概説:田口理事長
森岡
講演:森岡氏
【講演の骨子】
「野洲川下流域の弥生遺跡」HP概説
  • 野洲川下流域には、弥生時代を説明するキーワド「水田跡・大規模環濠集落・大型建物・玉作り・銅鐸・方形周溝墓」などが、質・量共に日本屈指のレベルで見付かっている遺跡群が揃っている
  • なぜここにそれだけの遺跡があるのか? びわ湖と野洲川の存在であり、多くの人が集まり豊かな生活を送っていた
  • 瀬戸内海、淀川水系、びわ湖、日本海ルート、東西の結節点であり、交易で栄えた
  • 近畿、東海、中国・四国の一部を緩やかに統合する盟主として卑弥呼の倭国形成を主導した
講演「倭国形成に向けての近江の役割」
中国の歴史書を読み解くと、倭国は6-800年続く。これを分断し、新しいステージとして「原倭国」を、纒向に形成される倭国の前段階に置いて考えている。この原倭国を主導した地域は近江南部を要とする北近畿で、倭国形成に果たした近江の役割が大変大きい。
弥生中期後半、野洲川下流域では大型環濠集落の下之郷遺跡の時代である。この時期、青銅器の生産体制や製造技術の変遷から、野洲川下流域の求心力の巨大化が見えてくる。
大阪南部で弥生時代の重さの原器が見つかっており、唐古鍵遺跡の建物など、当時の日本だけでは考えられない技術がある。中国で武帝による鉄の解禁が行われると早々と近江にも伝わりニノ畔遺跡で鉄を増やしてきている。
近江の遺跡を見るとき、明らかに、東は南関東、西は朝鮮半島を越えて楽浪郡、中国にも関与した動きを示している。ここに、近江の重要性が出てくる。
弥生後期、伊勢遺跡では多数の大型建物が見つかっており、規格性、計画性のある非常に洗練されたものである。このような建物が数多くあるのは伊勢遺跡だけである。
さらに重要なのは土器で、守山を中心として近江南部で発生した手焙り型土器です。伊勢遺跡が出現してしばらくの後に出現し、卑弥呼が政治的に活動しているときに活躍し、卑弥呼終了時になくなる土器である。
この普及が近江だけではなく近畿地方、岡山、北九州、東へは東海地方東部から南関東まで広がっている。かつ、見つかっているのが、重要な古墳や墳墓から見つかっていることである。手焙り型土器が見つかった千葉の古墳は前方後方墳で、この形式は近江が発祥である。
このような下之郷遺跡の時代、伊勢遺跡の時代が原倭国の時代観と重なってくる。伊勢遺跡はこのような近江の中枢となっており、伊勢遺跡が突如なくなるころに、奈良盆地の突如、纒向遺跡があらわれてくる。
すなわち、何もないところに大和王権が生まれるのではなく、近江の歴史を通じて大和王権が生まれてきた。

H28年2月13日 下之郷史跡公園 弥生人養成講座 〜弥生織り〜 が開催されました

 国史跡下之郷遺跡からは、当時の弥生人が機織りに使っていた部品が出ています。
今回は、フィリピン山岳地住民の伝統的な機織りについて学ぶ講座が開催されました。
【講座内容】
日時
 演題/講師
 内容
平成28年2月13日(土)
 午後1時半から4時
『家事からお仕事へ
〜変わりゆくフィリピンルソン島山地民の機織り〜』
講師:大西 秀之さん (同志社女子大学准教授)
司会:東村 純子さん (福井大学講師)
☆ルソン島山地民の伝統的な機織りの様子を紹介しながら、
 女性の仕事やジェンダーなどのお話がありました。
☆同時開催(2月13日〜3月31日)
弥生織り関連の道具などコレクションや弥生織り体験講座の作品の展示です
【場所】 下之郷史跡公園
【定員】 各日先着30人(事前申込要)、参加費無料
【申込】 下之郷史跡公園 電話・FAX (077)514-2511 (火曜日、祝日の翌日は休館)


H28年1月〜2月 下之郷史跡公園 弥生人養成講座 〜弥生の技〜 が開催されました

 国史跡下之郷遺跡からは、弥生人の生活や文化、自然環境を知るうえで貴重な遺物が 多数出土しています。
今回は、弥生時代の「住まい」や「生活の知恵」を学ぶ講座が開催されました。
【講座内容】
講座
日時
 演題
 講師
第1回
平成28年1月23日(土)
 午後1時半から4時
『映像記録「草鞋づくり」・「べべ」とかたり』 丸谷 彰さん (京都精華大学名誉教授)
※イヌガヤの実を採取し燈火用「べべ」油を搾る様子や草鞋(わらじ)づくりなど、朽木村針畑の昔の貴重な映像から弥生時代の生活をたどります
第2回
平成28年2月20日(土)
 午後1時半から4時
『巨大な屋根の謎−高床式の起源を探る』 佐藤 浩司さん (国立民族博物館 准教授)
※弥生時代の竪穴建物や高床建物など建築の歴史を探ります
【場所】 下之郷史跡公園

11月15日 下之郷遺跡祭り2015 が開催されました

大勢の方々が史跡公園に集い、大いに盛り上がりました。
【日時】11月15日(日)午前10時〜午後3時
【場所】下之郷史跡公園(下之郷1丁目)
【内容】
開会式前(9時55分) TEAM・megaによるラジオ体操
開会式前(10時〜)
ステージ発表第T部(10時10分〜) 
  ・下之郷遺跡キッズクラブ「GO kids」  ・吉身小学校6年生
  ・若鮎保育園   ・吉身幼稚園
メインコーナー(10時30分〜) 猪鍋ふるまい
体験コーナー(10時30分〜)
  わら細工、よし細工、機織り、カゴ編み、木の実を使った工作、弥生カレンダー作り
  魚釣り・火おこし・弓矢・投網擬似体験(一部有料)
記念撮影タイム(10時30分〜約1時間) もーりーが出演予定
模擬店コーナー(10時30分〜)
  うどんやお好み焼きなどの販売、赤米がゆや湖魚料理のふるまいもお楽しみに
ステージ発表第U部(正午〜)
  ・和太鼓ほたる団   ・守山琵琶湖よし笛アンサンブル
下之郷遺跡めぐりツアー(12時30分〜 )
[やよいおたのしみふくろ]抽選会(14時30分〜 )


27年6月〜8月 下之郷史跡公園 弥生人養成講座が開催されました

 国史跡下之郷遺跡からは、弥生人の生活や文化、自然環境を知るうえで貴重な遺物が 多数出土しています。
下之郷史跡公園では、弥生時代の生活技術(衣・食・住)を体験しながら学ぶ講座をおこなっています。
6月から8月にかけては「住まい」や「建築の技」について下記の講座を開催されます。
【講座内容】
講座
日時
 演題
 講師
第1回
平成27年6月27日(土)
 午後1時半から4時
『アジアの風土建築・技とこころ
 〜ベトナム小数民族の建築技術』
小林 広英さん (京都大学大学院地球環境学堂准教授)
※日本古代の木造建築と共通する技術の紹介
第2回
平成27年8月29日(土)
 午後1時半から4時
『弥生の建築技術と道具の歴史』 渡邉 晶さん (建築技術史研究所 所長)
※木造建築に必要な大工道具とその歴史・技術の紹介
【場所】 下之郷史跡公園
【定員】 各30人(事前申込要)、参加費無料
第2回 『弥生の建築技術と道具の歴史』の講義概要
講師の渡邉さんは古代の建築技術を研究されていて、本日は弥生時代の建物に使われていた建築木材の組み立て方法と木材加工に使われた道具について紹介がありました。
釘がまだない時代、建築木材の組み立ては、木に細工を施して組立てるやり方でした。組み立て方法には20種類近くのやり方があり、遺跡から出土した木材の加工方法を調べたら、その当時の技術レベル、加工に用いた道具、それが石器なのか鉄器なのかなどが判るそうです。
鳥取県の青谷上寺地遺跡(約2000年前)から多くの建築木材と鉄の道具が出土しており、その映像お映写と解説があり、お話しの内容が良く理解できました。
この遺跡からは、薄い板材が多数出土しており、当時の大工道具では製材できるはずのない薄さ、フラットさだそうです。ここから1500年後の鋸を用いた製材によって可能となる水準のもので、とても考えられないが現実に存在している・・・という不思議で面白いお話しが印象深かったです。
渡邉さん
講師の渡邉さん
建築木材
下之郷遺跡から出土した建築木材
加工用石器
(参考)木材伐採、加工用の石器

渡邉さんは、古代建築を復元する研究者と一緒に仕事をされることもあり、古代建築の復元についても興味深いお話しが聞けました。
古代建築の復元について、著名な3名の研究者(宮本氏、浅川氏、黒田氏)がおられるが、同じ建物の復元について3者3様の結果が得られるとのことでした。纒向遺跡の建物復元についてそのような例を話され、興味深かったです。

27年7月〜8月 下之郷史跡公園で夏休み体験講座が行われました

 下之郷遺跡は、地中から動物や草、木、虫、魚などがたくさん発見されていて、弥生時代のタイムカプセルとも言われています。今年の夏も小学生を対象とした、弥生時代に因んだ、自然との触れ合いをテーマとした体験講座が開催されます。

【教室1:草花標本づくり】
講座
日時
 内容
 講師
第1回
平成27年7月27日(月)
 午前9時から11時
草花や薬草の採集 阪本 寧男さん、上中 央子さん
第2回
平成27年8月17日(月)
 午後9時から11時
草花標本づくり  同上
【教室2:カイコのまゆ染め】
講座
日時
 内容
 講師
第1回
平成27年7月24日(金)
 午前9時から11時
カイコのマユから糸取り、草木染め 立石 文代さん、林 益代さん
第2回
平成27年8月7日(金)
 午後9時から11時
マユクラフト  同上
【教室3:魚つかみと調査】
講座
日時
 内容
 講師
第1回
平成27年8月3日(月)
 午前9時から11時
周辺の河川水路で魚つかみと観察 松田 征也さん、田中 良廣さん
第2回
平成27年8月24日(月)
 午後9時から11時
魚つかみの成果とお話し  同上

【場所】 下之郷史跡公園とその周辺
【定員】 教室1:15人、教室2・教室3:それぞれ20人
【対象】 小学生(保護者参加可)
【参加費】 各教室200円(材料代)



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