2011年度のニュース
24年1月〜2月 下之郷史跡公園 弥生人養成講座を開催しました
下之郷遺跡は、弥生時代中期(紀元前2〜1世紀)の県内最大の環濠集落跡です。この遺跡からは、弥生人が食べていた米をはじめ魚や動物の骨、そして衣服を織るための道具など、貴重な資料が多数発見され、注目されています。
今回の講座は弥生人の食や服飾に注目し、講師から「食」や「織り」の文化についてお話しをしていただくとともに、実際にものづくりの様子などを観ていただきました。
講座内容
講座 |
日時 |
演題 |
講師 |
その他 |
第1回 |
平成24年1月29日(日) 午後1時から4時まで |
『古代の発酵・保存食を学ぶ 〜「みそ」づくり』 |
堀越 昌子 (滋賀大学 教授) |
みそづくり実習 (指導:稲と雑穀の会) ※材料費 1,650円 |
第2回 |
平成24年2月11日(祝) 午後1時から4時まで |
『真綿づくりの伝統を学ぶ 弥生時代の絹利用』 |
北川 繁次郎 (近江真綿振興会 代表) |
弥生時代の織物解説 東村 純子 (国立民族学博物館 研究員) |
第3回 |
平成24年2月25日(土) 午後1時から4時まで |
『古代の発酵・保存食を学ぶ 〜「すし」について』 |
櫻井 信也 (大谷大学 講師) |
フナずしづくり解説 土山 博子 (稲と雑穀の会 代表) |
(第1回) 『古代の発酵・保存食を学ぶ「みそ」づくり』
1月29日(日)、下之郷史跡公園の環濠保存施設で「みそ」づくりの講座を行いました。
大豆は、豆腐や納豆、みそ、ゆばなど日本の伝統食に利用されてきました。 今回の講座では、大豆を原料にした
「みそ」づくりの歴史や文化について滋賀大学の堀越先 生よりお話しを伺い、実際に調理体験を行うことで、大昔の生活や保存食について考える 機会になりました。
下之郷遺跡のある下之郷町では、昔からそれぞれのお家で「みそ」は作られてきていましたが、最近では購入する家も多くなり、自家製のみそは少なくなってきています。 今回は地元農家の婦人グループ「芋つぶしの会」、「稲と雑穀の会」と麹屋老舗の麹屋吉右衛門さんの協力によりみそ造りを行い、参加者と昔の食文化について学びました。
1月29日(日)、下之郷史跡公園の環濠保存施設で「みそ」づくりの講座を行いました。
大豆は、豆腐や納豆、みそ、ゆばなど日本の伝統食に利用されてきました。 今回の講座では、大豆を原料にした
「みそ」づくりの歴史や文化について滋賀大学の堀越先 生よりお話しを伺い、実際に調理体験を行うことで、大昔の生活や保存食について考える 機会になりました。
下之郷遺跡のある下之郷町では、昔からそれぞれのお家で「みそ」は作られてきていましたが、最近では購入する家も多くなり、自家製のみそは少なくなってきています。 今回は地元農家の婦人グループ「芋つぶしの会」、「稲と雑穀の会」と麹屋老舗の麹屋吉右衛門さんの協力によりみそ造りを行い、参加者と昔の食文化について学びました。
堀越先生の講演 |
麹屋吉右衛門さんの話 |
大豆・麹・塩をこねる |
みそ玉を樽に詰める |
(第2回) 『真綿づくりの伝統を学ぶ 弥生時代の絹利用』
2月11日(祝・土)下之郷史跡公園の環濠保存施設で「弥生時代の絹」と「真綿づくり」の講演会とワークショップが開催
されました。
今回の講座では、絹糸や真綿づくりを学ぶため、原始古代の機織りを研究されている東村純子さんに、弥生時代の絹利用について解説をしていただき、その後、県下で唯一、真綿づくりをおこなっている近江真綿振興会の北川茂次郎さんに、お話しと実演をしていただきました。
遺跡から織物や繊維が発見されることはほとんどないのですが、吉野ケ里遺跡(佐賀)や下池山古墳(奈良)からは、布地が見つかっています。また『魏志倭人伝』には、「禾稲(かとう)・紵麻(ちょま)を種え、蚕桑(さんそう)?績(しゅうせき)し、細紵(さいちょ)・?緜(けんめん)を出だす」という記事があり、弥生時代以降の日本では、絹や真綿が利用されていたことがうかがえます。
真綿づくりは、水を張ったタライの中に繭を入れ、その真ん中にゲバと呼ぶ木枠を立て掛け、マユをむいて中のサナギを取りのぞき、袋状のマユを四角く均一に引き伸ばし、ゲバに貼りかける作業をおこないます。
参加者の皆さんにもやっていただきました。慣れない手つきですがなんとか四角い形になっていました。また、小さくて四角い真綿が、布団大に引き伸ばされていく様子をみて、驚きの声があがっていました。
2月11日(祝・土)下之郷史跡公園の環濠保存施設で「弥生時代の絹」と「真綿づくり」の講演会とワークショップが開催
されました。
今回の講座では、絹糸や真綿づくりを学ぶため、原始古代の機織りを研究されている東村純子さんに、弥生時代の絹利用について解説をしていただき、その後、県下で唯一、真綿づくりをおこなっている近江真綿振興会の北川茂次郎さんに、お話しと実演をしていただきました。
遺跡から織物や繊維が発見されることはほとんどないのですが、吉野ケ里遺跡(佐賀)や下池山古墳(奈良)からは、布地が見つかっています。また『魏志倭人伝』には、「禾稲(かとう)・紵麻(ちょま)を種え、蚕桑(さんそう)?績(しゅうせき)し、細紵(さいちょ)・?緜(けんめん)を出だす」という記事があり、弥生時代以降の日本では、絹や真綿が利用されていたことがうかがえます。
真綿づくりは、水を張ったタライの中に繭を入れ、その真ん中にゲバと呼ぶ木枠を立て掛け、マユをむいて中のサナギを取りのぞき、袋状のマユを四角く均一に引き伸ばし、ゲバに貼りかける作業をおこないます。
参加者の皆さんにもやっていただきました。慣れない手つきですがなんとか四角い形になっていました。また、小さくて四角い真綿が、布団大に引き伸ばされていく様子をみて、驚きの声があがっていました。
北川さんの講演 |
北川さんの角真綿作り実演 |
ワークショップ:指導を受ける |
角真綿を広げたところ |
(第3回) 『古代の発酵・保存食を学ぶ 「すし」について』
2月25日(土)、下之郷史跡公園の環濠保存施設で弥生人養成講座(第3回)「すし」についてが開催されました。
下之郷遺跡の環濠からは、イノシシやシカなど動物遺体の他に、魚や貝も出土しています。魚の関係では、フナのえらぶたや咽頭歯がたくさん見つかっていて、その形から琵琶湖の固有種「ゲンゴロウブナ」だったことがわかっています。
今回の講座では、文献史学が専門の櫻井信也さんから「すし」とは何かについて、その種類や作り方、弥生時代と「ふなずし」などについて、お話しをしていただきました。
古文書(律令や延喜式、木簡など)に記された「すし」の記事をもとにした、古代の「ふなずし」の話には説得力があり、近江につたわる伝統食「ふなずし」の歴史について理解が深まりました。
また、稲と雑穀の会が毎年取り組んでいる「赤米ふなずし」づくりの話が、写真解説入りで行われ、その後、赤米フナずし(3匹)も試食に出て、本日の話題を実食して皆さん確かめていました。
2月25日(土)、下之郷史跡公園の環濠保存施設で弥生人養成講座(第3回)「すし」についてが開催されました。
下之郷遺跡の環濠からは、イノシシやシカなど動物遺体の他に、魚や貝も出土しています。魚の関係では、フナのえらぶたや咽頭歯がたくさん見つかっていて、その形から琵琶湖の固有種「ゲンゴロウブナ」だったことがわかっています。
今回の講座では、文献史学が専門の櫻井信也さんから「すし」とは何かについて、その種類や作り方、弥生時代と「ふなずし」などについて、お話しをしていただきました。
古文書(律令や延喜式、木簡など)に記された「すし」の記事をもとにした、古代の「ふなずし」の話には説得力があり、近江につたわる伝統食「ふなずし」の歴史について理解が深まりました。
また、稲と雑穀の会が毎年取り組んでいる「赤米ふなずし」づくりの話が、写真解説入りで行われ、その後、赤米フナずし(3匹)も試食に出て、本日の話題を実食して皆さん確かめていました。
櫻井さんの「すし」の講演 |
土山さん:作り方の紹介 |
稲と雑穀の会のふなすし |
ふなすしの試食会 |
23年11月 下之郷遺跡まつり 2011を開催
今日はどっぽり弥生人 下之郷遺跡まつり 2011
平成23年11月23日(祝)
あなたは弥生人になる
下之郷遺跡公園はは昨年の11月23日の開館以来、地元の小中学生や地域の方々、さらに県外からも多くの
人たちがおとづれていただきました。
史跡公園開館1周年記念の日に、みなさんの日頃の支えに感謝の意気持を込めて、市民手作りの
「下之郷遺跡まつり 2011」を催しました。
人たちがおとづれていただきました。
史跡公園開館1周年記念の日に、みなさんの日頃の支えに感謝の意気持を込めて、市民手作りの
「下之郷遺跡まつり 2011」を催しました。
【イベント】
1周年記念の植樹を行った後、守山市青年会議所の司会進行で遺跡祭りが始まりました。
メインの舞台では「記念講演」のあと、いろいろな催しが開催されました。。
1周年記念の植樹を行った後、守山市青年会議所の司会進行で遺跡祭りが始まりました。
メインの舞台では「記念講演」のあと、いろいろな催しが開催されました。。
欅の記念植樹 |
イベント
記念植樹 実行委員長、教育長、岡村道雄氏 記念講演 「グルメ弥生人」 岡村道雄氏 (奈良文化財研究所名誉研究員) |
青年会議所の司会と実行委員長 |
記念講演「グルメ弥生人」 |
守山琵琶湖よし笛アンサンブル |
和太鼓ほたる団 |
【手作り・体験コーナー】
下之郷遺跡から織り機の部品が出ています。わらも、よしも、木の実もありました。きっと何かを作っていたでしょう。
弥生時代には竹は無かったと言われています。でも古い時代から使われてきました。火起こしも大変だったでしょうね。大勢の子どもたちが手作りの体験をしてくれました。
弥生時代の貫頭衣を着てもらい、記念の写真を撮ってカレンダに仕上げました。
下之郷遺跡から織り機の部品が出ています。わらも、よしも、木の実もありました。きっと何かを作っていたでしょう。
弥生時代には竹は無かったと言われています。でも古い時代から使われてきました。火起こしも大変だったでしょうね。大勢の子どもたちが手作りの体験をしてくれました。
弥生時代の貫頭衣を着てもらい、記念の写真を撮ってカレンダに仕上げました。
弥生織りに挑戦 |
わら細工 |
よし細工:よし笛、写真立 |
竹細工:竹馬、竹とんぼ |
織 藁 葦 竹 手作りコーナー 木の実 体験コーナー 火 衣 |
ドングリで首飾り作り |
弥生人はこうして火を起こした |
弥生の衣装で写真を撮って ⇒ |
⇒⇒ カレンダ と ドングの首飾り |
【弥生食】
弥生の人も食べていたに違いない「お粥」と「しし鍋」を"ふるまい"として食べてもらいました。
下之郷では特産のさといもとお米を使った餅をおやつとして食べていました。
弥生の人も食べていたに違いない「お粥」と「しし鍋」を"ふるまい"として食べてもらいました。
下之郷では特産のさといもとお米を使った餅をおやつとして食べていました。
弥生の土器で「赤米のお粥」 |
弥生食
ふるまい 弥生の食事はいかが? 古くからのおやつ 下之郷特産のさといもと お米から作る「いも餅」 |
「しし鍋」 ご馳走だったでしょう |
「たこやき」って弥生食? |
「いも餅」弥生時代にあったかも |
市長も「しし鍋」に舌鼓 |
【協賛展示・即売会】
弥生の人も食べていたに違いない「お粥」と「しし鍋」を"ふるまい"として食べてもらいました。
下之郷では特産のさといもとお米を使った餅をおやつとして食べていました。
弥生の人も食べていたに違いない「お粥」と「しし鍋」を"ふるまい"として食べてもらいました。
下之郷では特産のさといもとお米を使った餅をおやつとして食べていました。
地元野菜の即売「とれとれ市」 |
素晴らしい数々の盆栽の展示 |
守山市の遺跡の紹介パネル |
主催 | 下之郷遺跡まつり2011実行委員会 | |
共催 | 守山市教育委員会 | |
協賛 | 滋賀県猟友会守山支部 |
23年7月 下之郷史跡公園 弥生人養成講座を開催しました
下之郷遺跡からは、クワ・スキなどの農具や栽培されていた稲、アワ・ウリなどの栽培植物、衣服を織るための道具や素材となった植物など、貴重な資料がぞくぞくと発見されています。今回の講座では、弥生人の生活に注目し、講師から「食」や「織り」の文化についてお話しをしていただくとともに、実際にものづくりなどを体験していただきました。講座内容
講座 |
日時 |
演題 |
講師 |
その他 |
第1回 |
平成23年7月9日(土) 午後1時30分から 午後4時まで |
弥生文化と東アジア 『台湾先住民の「衣」と「食」−アワのモチ文化− 』 |
林 麗 英 (総合研究大学院大学 大学院博士課程) 東村 純子 (京都大学博物館 研究員) |
アワを使った台湾先住民料理の試食 (協力:稲と雑穀の会・弥生織りの会) |
第2回 |
平成23年7月23日(土)
午後1時30分から 午後4時まで |
『メロン仲間の日本への渡来』 | 藤下 典之 (大阪府立大学 元教授) |
メロンの仲間の比較と観察 (協力:稲と雑穀の会) |
(第1回) 弥生文化と東アジア 『台湾先住民の「衣」と「食」−アワのモチ文化− 』
7月9日(土)に、弥生人養成講座の第1回が下之郷史跡公園で行われました。講師から「食」「織り」の文化について話を聞いた後、参加者はアワを使った台湾先住民料理のおだんごをいただきながら弥生文化と東アジアについて話が盛り上がりました。 |
講義と実演の風景
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(第2回)『メロン仲間の日本への渡来』
7月23日(土)に、弥生人養成講座の第2回が下之郷史跡公園で行われました。講師から「メロンの起源」やメロンの原生種である雑草メロンの日本への伝搬に文化について話を聞きました。遺跡から発掘されるメロンの種の種類、時期などから、弥生人はメロンの品種改良をしていたことが推測されるそうです。 |
講義の風景 発掘されたウリの種
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